両面提示の法則 - デメリットも伝えてこそ信頼度・説得力が上がる!

f:id:urj:20170913214714j:plain

メリットがたくさんある商品なのになぜか売れない…。 それはメリットだけを強調し、デメリットを隠していることが原因かもしれません。 これからお話する「両面提示の法則」は、相手から信頼を得るための法則です。 メリットとデメリットの両方を伝えることでどんな効果が期待できるのか? 商談に大きく影響する「両面提示の法則」について解説します。

メリットだけだと嘘っぽく聞こえる

本当はメリットしかない方が嬉しいのですが、人はメリットだけを言われると逆に疑ってしまうものです。 メリットしかないなんてありえないと思ってしまう心理から、メリットだけを伝えると嘘っぽく聞こえてしまいます。

多くの人はメリットとデメリットの両方をふまえて判断したいと思っています。 営業をする立場としてはできるならデメリットは伝えたくないものですが、メリットだけを提示しても信頼してもらえません。 デメリットを伝えることは決してマイナスではなく、信頼してもらうためには必要なことです。

両面提示の法則

f:id:urj:20170913214814j:plain

「両面提示の法則」は、メリットとデメリットの両方を伝えることで信頼度が増すという法則です。 相手に不利になる情報をあえて隠していたことが発覚した時、相手からの信頼を失ってしまいます。 それなら最初からデメリットも話しておいた方が不信感を招かずに済みます。

デメリットを伝えることはメリットの裏付けにもなります。 たとえば、「人気商品で入荷までに半年かかる」というデメリットがあるとしたら、それだけ多くの人に支持されている良い商品ということを伝える効果があります。

また、デメリットやリスクを伝えた上で納得してもらえればクレームが起こりにくいという利点もあります。 「そのデメリットを知っていたなら買わなかったのに」という場合、デメリットを隠したことは大きなクレームになります。 デメリットを理解した上で買ってもらったならば、そうしたクレームを避けられます。

あまりにメリットが大きすぎたり都合良すぎたりと感じると、「何か裏があるのでは?」と疑いを持たれてしまいます。 その疑心を打ち消すために正直にデメリットを話し、納得してもらうのが「両面提示の法則」の肝要です。 「それくらいのデメリットならいいか」と納得してもらえれば成約につながるでしょう。

反対に、「そのデメリットは大きい」と感じたお客さんに無理に成約を進めてもクレームに発展する恐れがあるため、クレームを予防できるという点でデメリットを伝えることに利点はあります。

片面提示が効果的な事例

「片面提示」は、メリットだけを伝えることです。 たとえば商品やサービスのWebサイトではメリットだけを伝える「片面提示」がよく使われます。 ユーザーは自分でネット検索してデメリットがないかを調べますので、わざわざ自らデメリットを掲載する必要はないでしょう。

広告においてもメリットを全面に打ち出すのが一般的です。 「両面提示の法則」に従ってあえてデメリットを伝えることで信頼を得ることもありますが、多くの場合はメリットだけを宣伝します。

ただ、あまりにもメリットを誇張しすぎると「そんなうまい話はないだろう」という疑いを招いてしまいます。 「片面提示」も信頼されないと意味がありません。

ビジネスでは信頼が大事

ビジネスは駆け引きですので、時には相手に伝える情報を選択することがあります。 しかし、相手にとって不利になる情報を故意に隠すと不信感を招き、ビジネスの関係にヒビが入ってしまいます。 「隠す」ことはビジネスにおいて信頼を損なう行為ですので、相手からの信頼を得るには正直にデメリットも伝えておいた方が良いでしょう。

とは言え、わざわざ話す必要のないこともあるので、どこまで話すべきかは相手との信頼関係にもよります。 ビジネスパーソンとしてでなく、個人的な欠点も話すことで親近感や信頼感が増すこともありますが、欠点の内容によってはビジネスにも影響しかねません。 遅刻グセがあるならそれは自分で努力して直すべきですし、相手に話す必要はないことですよね。 もちろんビジネスパーソンとして時間を守らないのは致命的ですが、それは「両面提示の法則」以前の問題です。

おわりに

「両面提示」と「片面提示」は使い分けが必要です。 デメリットを話すことで信頼感が増しますが、デメリットを隠すと相手から不信感を招きかねません。 ビジネスにおいて相手から信頼されるには「両面提示」が必要です。

  • 独立起業の虎の巻PDFダウンロードはこちら