単純接触効果(ザイアンスの法則)を使った営業のテクニックと注意点

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初対面の相手に対しては多くの人が警戒心を抱きます。 ところが、繰り返し対面したり話したりすることで相手の警戒心が薄れ、徐々に良い印象を持ってもらえるようになります。 これは「単純接触効果」と呼ぶもので、営業でも広く使われてテクニックです。 営業を成功させるために知っておきたい、「単純接触効果(ザイアンスの法則)」を使った営業のテクニックと注意点を解説します。

単純接触効果(ザイアンスの法則)とは?

「単純接触効果」とは、繰り返し接することで徐々に好意を抱いていくという心理的な効果です。 アメリカの心理学者ロバート・ザイアンスが提唱したことから「ザイアンスの法則」とも呼ばれます。

最初は興味がなかった相手や物でも、繰り返し見たり聞いたりするうちに警戒心が薄れ、好意的な感情を抱くようになります。 初対面の相手に対して最初から全く警戒しないという人は少ないので、ほとんどの人に当てはまる心理と言えます。

物に対しても同様で、CMや広告で繰り返し見聞していると、無意識のうちに記憶に残って良い印象が強くなってきます。 もちろん逆の場合もあって、不快感を与える宣伝の仕方や内容だと悪い印象が強く残ってしまいます。

単純接触効果(ザイアンスの法則)を使った営業テクニック

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最初の営業では相手に警戒心があるため、そこで強く推しても商談に至る可能性は低いです。 初めは断られても、2度、3度と営業をかけるうちに相手の警戒心が解けてゆき、こちらに対して好意的な印象を抱くようになります。 雑談を交えながらパーソナルな話もするようにならば親密度が高まり、良い印象を持ってくれるようになるでしょう。

最初は全く関心を示さなかった相手も繰り返し接触するうちに、「これだけ熱心に通ってくれているのだから少しは考えてみようかな」という気になってくれるかもしれません。 関心がゼロなら話も聞いてくれないでしょうけれど、少しでも関心があるなら話だけでも聞いてくれるでしょう。 それは大きなチャンスであり、そこから関心を広げて商談成立につなげるのが営業の腕の見せどころです。

話をするのが難しいならば、挨拶だけでも構いません。 「単純接触効果」は繰り返し接触することが大事で、わずかでも相手に繰り返し接触して自分の存在を認識させることで徐々に印象が深まっていきます。

たとえばお客さんが3社から商談を受けていて、商品の質はさほど差がない場合、営業次第で成約になるかが分かれます。 A社は週1回、B社は週2回、C社は週3回接触していたとすれば、「単純接触効果」からC社が有利になります。 やはり繰り返し通ってくれるとその熱意に応えたいという気持ちが芽生えてくるので、接触回数が少ない他社よりも選んでもらえる可能性が上がります。

対面での営業だけでなく、電話やメールでも接触回数は増やせます。 御礼のメールを欠かさず送るのも印象を良くする方法です。

接触回数では判断しない人もいるのでそう簡単にはいきませんが、接触回数が増えればお客さんを知る機会が増えるので、セールストークに役立ちます。

単純接触効果(ザイアンスの法則)の注意点

営業の仕方次第ではしつこいと捉えられ、逆効果になってしまうこともあります。 「単純接触効果」で自分に対する好意が上がっているのかを見極めることが大事です。 嫌がっている相手に無理に接触しても印象が悪くなるだけですし、自分の都合だけで接触機会を設けても「単純接触効果」は発揮されません。

明らかに自分を避けている相手に対して「単純接触効果」を使ってもかえって印象を悪くするだけです。 相手が自分に対してどういう印象を持っているのかを察することができない人は「単純接触効果」が諸刃の剣になってしまいます。

単純に接触回数を増やしたからといって全ての人が好意を持ってくれるわけではないので、その点は勘違いしないようにしましょう。

どんなテクニックを使うにしても相手の心理を考えることが大切

営業というのは単純に商品やサービスが良ければ売れるというわけではありません。 相手の心理を理解していない営業の仕方だと、いくら商品やサービスの質が良くても成約を得られないでしょう。

「単純接触効果」にしろ、どんなテクニックを使うにしても相手の心理を考えることが大切です。

なぜ関心を示してもらえないのか? なぜ購入をためらっているのか? なぜ他社の商品を選んだのか?

お客さんの心理を理解できなければ営業はうまくいきません。 テクニックを学ぶことも大事ですが、営業は人と人との対話ですので、相手のことを知る努力をしましょう。

おわりに

短時間でも繰り返し接触することで「単純接触効果」によって相手の印象が変わってきます。 最初は関心を持ってもらえなくても、徐々に関心を持ってもらえるように努めればいいのです。 「熱心さ」と「しつこさ」を誤解しないように、相手にとって不快にならない頻度で「単純接触効果」の機会を増やしましょう。

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