優秀な人材の流出を食い止める!事業主が知っておくべき介護離職防止支援助成金について

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優秀な人材の流出は企業にとって大きな痛手です。介護のために離職せざるを得ない社員も多く、高齢化社会の課題のひとつとなっています。

そこで事業主の方に知ってもらいたい助成金制度があります。それは介護離職を防止に取り組む事業主を支援する「介護離職防止支援助成金」です。

本記事では「介護離職防止支援助成金」について解説しますので、介護離職防止の取り組みの一貫として検討してみてください。

介護のために離職する人が増えている

高齢化社会の問題は介護の負担増加、生産年齢人口の減少、医師・看護師不足だけではありません。介護のために離職する人が増え、人材不足に陥ることが懸念されます。企業としては優秀な人材が流出するのをなんとしても食い止めたいところですが、介護を理由に離職せざる得ない場合、引き止めるのは難しいでしょう。

介護はプライベートなことなので企業が介入できる部分は少ないですが、できることはあります。在宅ワークやフレックスタイム制を導入するのもひとつの解決策です。これらの導入を始めている企業も多く、従来の定時出社・定時退社だけでない多様な働き方が増えてきました。

一方で、中小企業にとってこうした職場環境を整えるための費用を捻出するのは簡単なことではありません。そこで利用を検討してもらいたいのが「介護離職防止支援助成金」です。

これから詳しく解説しますので、ぜひ最後までお読みください。

介護離職防止支援助成金について

出典:介護離職防止支援助成金のご案内 / 厚生労働省

「介護離職防止支援助成金」は、仕事と介護の両立支援のために職場環境整備を行う事業主を支援するための助成金です。これまでは「介護支援取組助成金」として助成が行われていましたが、平成28年10月19日より「介護離職防止支援助成金」に移行することになりました。

要件

1:仕事と介護の両立支援のための職場環境整備を行う
2:介護支援プランによる介護休業の取得等の支援について明文化・周知する
3:対象労働者の介護支援プランの作成
4:介護支援プランに沿って介護休業の取得・職場復帰を行う、または仕事と介護の両立のための介護制度を利用する

1:仕事と介護の両立のための職場環境整備の要件

1番の要件である「仕事と介護の両立のための職場環境整備」を満たすには、以下の4つの取り組みを行うことが必要です。

1:社内アンケートを実施し、従業員の仕事と介護の両立に関する実態を把握すること
2:介護休業関係制度に係る就業規則の整備を見直すこと
3:人事労務担当者等による研修の実施、および介護休業関係制度の周知を行い、介護に直面する前の従業員への支援を行うこと
4:相談窓口の設置、および周知を行い、介護に直面した従業員への支援を行うこと

受給可能額

【介護休業】
・1事業主2回まで支給
・1人につき、大企業は40万円、中小企業は60万円を支給

【介護制度】
・1事業主2回まで支給
・1人につき、大企業は20万円、中小企業は30万円まで支給
※いずれも期間雇用者、無期雇用者1回ずつ

事前に職場環境の整備をしておこう

ご覧のように、「介護離職防止支援助成金」を受給するには上記の要件を満たす必要があります。事前に職場環境の整備をしておく必要がありますので、その点はよく注意してください。

高齢化社会は現在も着々と進行し、超高齢化社会に突入すると今以上に介護の問題が深刻になっていきます。介護離職者が増えてから慌てて対策をしたのでは遅いので、介護離職者が出る前に対策を投じておきましょう。

おわりに

「介護離職防止支援助成金」の重要な部分を解説しましたが、詳細については厚生労働省のホームページで確認できます。今すぐ利用することはないという場合でも、調べておいて損はありません。

介護に伴う離職が増えている中小企業は、対策の一環として仕事と介護の両立ができるよう職場環境の見直しを行い、可能ならば「介護離職防止支援助成金」を申請して受給をしましょう。

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