集客に大きく影響する!開業前に学んでおきたい商圏の基礎

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出店する上で商圏の調査は欠かせません。商圏の判断を誤ると、想定していた集客ができず経営が困難になります。商圏の基礎についてまとめましたので、出店を成功させるために商圏について理解をしておきましょう。

 

商圏の分類

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商圏は店舗に集客できる範囲を指します。集客の可能性がある地域は商圏に含まれますが、距離によって第一次商圏、第二次商圏、第三次商圏に分類されます。 商圏について明確な定義があるわけではないので、これから解説するのは一般的な解釈ですが、商圏を理解する上に役立つ知識です。

第一次商圏

徒歩や自転車で10分程度でアクセスできる範囲を第一次商圏と呼びます。距離でいうと半径約2km以内、最もアクセスしやすい距離にあるエリアです。スーパーマーケット、コンビニ、ドラッグストアといった食料や日用品を扱う店舗は、多くのお客さんが第一次商圏にある店舗を選びます。

毎日アクセスできる距離であること、アクセスがしやすい立地であることが第一次商圏の条件となります。近い距離にあったとしても、川や大通りを挟んでいるがためにアクセスに時間がかかる場合、第一次商圏から外れることもあるので、必ずしも距離だけで測れるものではありません。第一次商圏は利便性が重視されるので、立地が大きく影響します。

また、競合店の有無によっても商圏が変化しますし、都市圏は店舗密度が高いので、地方と比べると商圏の範囲が狭くなります。 このように、立地や条件によって第一次商圏は変化するため、距離の近さだけで判断すると集客で不利になる恐れがあります。半径約2km以内であっても立地によって第二次商圏となる可能性も考えられます。

お客さんは第一次商圏の中で価格や品揃えなどから食料品や日用品を購入する店舗を選びますが、アクセスのしやすさが前提となっています。大幅に価格が安いなどの理由がない限り、わざわざ第二次商圏まで足を伸ばす人は少ないでしょう。

第二次商圏

自転車で10分以上かかる、または電車やバスでの移動が必要な距離にあるエリアは一般的に第二次商圏に区分されます。距離でいうと半径2km以上の範囲が第二次商圏となります。 第二次商圏は週単位で訪れるかがひとつの基準で、毎日は難しいけれど、週末に電車やバスで買い物に行く程度の距離にあるエリアが該当します。

専門性の高いお店であったり、週一の贅沢で訪れるレストランであったり、お客さんはお店に特別性を求めて訪れます。 第一次商圏と違ってほぼ毎日来てもらうことを期待するのではなく、週単位で定期的に来てもらえるようなお店づくりが必要です。少し時間をかけても訪れる価値があるようなお店であれば、第二次商圏でも十分に勝負できます。

第三次商圏

第一次商圏、第二次商圏からさらに離れ、月単位で訪れる範囲のエリアを第三次商圏と呼びます。電車や車を使っても30分以上かかる距離にあるエリアが第三次商圏に区分されます。 第三次商圏は売上の約5%程度です。時間がかかる距離にあるため、専門性の高いお店であるなど特別な理由がない限り訪れるお客さんは少ないでしょう。

出店間に商圏を調査する

ここまで解説したように、商圏によってそれぞれ来店する理由が異なります。

第一次商圏は「近くにあるから」という理由が大きく、地域密着型の店舗が好まれます。たとえばコンビニが近隣にある場合はわざわざ遠くの店舗に行く必要はないので、競合店がある場合は商圏が狭くなります。

反対に、競合店がない場合は商圏を拡大できる可能性があるので、商圏を把握する上で競合店の調査は欠かせません。

しつこいようですが、商圏は距離で明確に区分されるものではなく、立地や条件、競合店の有無によって大きく変わるため、安易に距離だけで考えてはいけません。地図だけで判断するのではなく、実際に現地を訪れ、お客さんの気持ちになって調査をしましょう。

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