クリスピー・ドーナツ大量閉店、ミスドも苦戦する日本のドーナツ離れの現状

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かつて行列ができる人気店だったクリスピー・クリーム・ドーナツが大量閉店し、専門店のミスタードーナツも売上が減少するなど、ドーナツ業界全体の低迷が続いています。

また、コンビニドーナツも成功しているとはいえない状況であり、ドーナツ業界は現在、転換期を迎えている状況です。本記事では、こうした日本のドーナツ離れの現状を紐解いていきます。

クリスピー・クリーム・ドーナツの大量閉店

クリスピー・クリーム・ドーナツはアメリカで1937年に創業した人気のドーナツチェーン店で、2006年12月に日本に進出しました。日本にできた時は行列ができ、都市圏を中心に各地に店舗を拡大し、日本での知名度も高めることに成功します。

しかし、2016年に日本進出10周年を期に事業計画の見直しが行われ、一挙に20店弱が閉店することとなりました。日本第一号店である新宿サザンテラス店も2017年1月に閉店することとなり、大きな転換期を迎えています。

新宿サザンテラス店は10年契約が切れるタイミングだったこともありますが、かつてほど行列ができなくなり、人気が低迷していたという事実も閉店の大きな理由として無視できません。

つまり、今の日本のドーナツ業界全体が低迷しており、クリスピー・クリーム・ドーナツも苦戦を余儀なくされた結果であるといえます。外資系のチェーン店であるクリスピー・クリーム・ドーナツが日本で生き残るかはこれからが勝負と考えられます。

コンビニのドーナツ市場参戦

セブンイレブンが2014年から本格的にドーナツの販売に力を入れ、それに続くようにローソン、ファミリーマートなどコンビニ各社がドーナツ事業に参入しました。

コンビニ各社によるコーヒー戦争が勃発したのもつかの間、すぐにドーナツ業界を巻き込んだドーナツ戦争まで巻き起こりました。では、コンビニのドーナツ参入が狙い通りに成功したかというと、実際のところそうではありません。

コンビニ各社の狙いとしてはコーヒーのお供としてドーナツを購入してもらうことで売上増を狙ったものの、これまでサンドイッチやパンを購入していた人がドーナツに変わっただけでした。さらに、ミスドのような専門店と比べて種類が少なく、味も特別勝るというわけでもないということが、失敗の理由として考えられます。

コンビニはコーヒー事業の参入で成功したものの、ドーナツ事業では同じようにはいきませんでした。もちろん、だからといって今後成功しないといいきることはできませんが、ドーナツ業界全体が苦戦している現状では巻き返しは容易ではないでしょう。

ミスドの苦戦

日本で最大のドーナツチェーン店であるミスタードーナツはここ数年、赤字が続いており、事業計画の見直しが必要な時期に差し掛かっています。ミスドのメインの客層であるファミリー層が少子化の影響で少なくなり、コンビニのドーナツ市場参入も加わったために苦戦を強いられています。

ドーナツ専門店としての強みはあるものの、ドーナツ離れが加速している現状ではミスドもクリスピー・クリーム・ドーナツのような大量閉店を余儀なくされる可能性も充分あります。

ドーナツ離れの原因は健康志向の高まり?

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では、クリスピー・クリーム・ドーナツがかつての人気を失い、安定した人気を持つミスドも苦戦しているのはなぜでしょうか?

その原因のひとつとして考えられるのが、世間に広まる健康志向の高まりです。健康志向が高まったことでカロリーの高いドーナツを避ける傾向が強くなり、それがドーナツ離れ、ひいてはドーナツの売上減少につながっていると推測されます。

そうした現状を受け、ミスドでは健康志向のニーズに応えるための商品開発を進めているそうです。スムージーなどの健康志向の商品を導入することにより、巻き返しを狙っています。

セールで値下げをするよりも、こうした健康志向の商品を増やした方が勝機はあるのかもしれません。

おわりに

ドーナツ離れは不景気も影響していますが、健康志向の高まりが原因の根幹にあるかもしれません。健康志向の高まりと売上の関係はドーナツ業界だけでなく、他の外食業界も無関係とはいえないでしょう。

低迷が続くドーナツ業界で生き残るのはミスドのような専門店かコンビニか、今後、動向には要注目です。

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